父子家庭で娘、それ私だ

離婚や法律の専門家は法で定まった原則を教えてくれる。でも僕らが向き合うのは「現実」である。

[最終更新日]2021/03/23

ざっくり言うと

  • 専門家の言葉や情報に振り回される父子予備軍が余りに多い。
  • 法の原則を厳密に教えてくれるのが専門家。
    • でも、現実は原則通りに動いていない事の方が多い。
  • 「法ではこうです」は人間の愛憎劇においては余り意味が無い事を知ろう。
    • 公正証書であってすら「履行義務」は無いのが現実。
      • 約束事の存在証明にしかならない。「守りません」と言われて終わり。
    • 裁判所命令ですら、無視したところで罰則はないのが現実。
      • 強制力発揮は給与差し押さえくらい。
        • 手続きと費用が。。。。

父子家庭の親権・監護権関係で本当に質問が良く来る。

僕は「父子家庭に親権なんて不要だ!」と宣言している父子家庭です。

ですが、世の中にはまだまだ「監護権だけではリスクが高い」と説明をする専門家の方も多いみたいで、「親権を裁判所で争うべきか」と相談を受けます。

離婚直前の状態、特に我が子との今後がかかっている状況ですから、不安になるのもわかります。

僕もそうでした。

でも、きっと冷静な状態になればすぐに気付くと思います。専門家は基本的に「仕事を受けたい」ので「親権はあげても良いでしょう」なんて絶対に言わないと。

「無かった場合、こんなリスクが出てきます」と確率的に0.1%くらいの事を取り上げて「だから親権は必要なんです」と暗に伝えてきます。不安を煽るテクニックです。

でも、実際は「そんなリスクであっても、実はこういう風にすればあなた自身で対応が可能です」という答えがあるものばかり。

日本の法律は裁判を見てもわかる様に、「解釈一つで意味が変わる」世界です。明文化されていることがこれほどアテにならない言語もありません。

僕は法の専門家ではないですが「離婚」という現実に「親権・監護権分離」という現実、父子家庭という現実まで生きてきた経験がありますので、「現実」がどうなっているかを改めてお伝えしたいと思います。

正しいが現実的ではない

原理原則だけで世の中は動いていない

何度も言いますが、専門家の情報は「法に則った原則」です。なので何一つ間違ったことは言っていない。正しい。

でも、僕らが向き合う現実は「杓子定規に運用されていない」ものばかりです。特に養育費なんて裁判で勝とうが相手が無職なら意味がありません。転職されても意味がありません。収入があっても支出を増やして支払い拒否をしている人もいます。

「無い袖は振れない」。これも法に則った合法的手段です。

「知らない」という状況は不安を何倍にも膨らませてくれます。ならば知りましょう!現実がどうなっているかを!

ただし、これは「父子家庭において」という大前提がありますのでご注意を!

父子家庭の親権分離・身上監護権だけでは本当にリスクがあるのか。

まず、法律上の言葉は非常に回りくどいです。なので噛み砕いた理解が大切。

親権者について

戸籍上で「親権者」となる人

監護権者について

戸籍上は何も無いけど「子供と同居」する人。つまり「保護者・養育者」となる。

親権についての解説

親権を構成する権利は以下の通り。

  • 1.監護教育権
    • 居所指定権
    • 懲戒権
    • 職業許可権
    • 子の代理権(代理権)
      • 調べる程に頭が痛くなるので気にしなくて良い。
  • 2.財産管理権
    • 子供の財産を管理する。
    • 子の代理権(同意権)
      •  調べる程に頭が痛くなるので気にしなくて良い。

で、離婚の際に監護権(身上監護権・監護教育権)を切り離すと

  1. 身上監護権を持つ親:一緒に暮らす父親
    子供の養育を担当する。
  2. 親権を持つ親:別居する母親
    子供の財産を管理する。

となります。あくまで理屈上は。

身上監護権を持つ父子家庭では実際どうか。

財産管理権は実質「同居親」が持ちます。法的な理屈がどうかは良くわかりませんが、子供の通帳を同居親が持つので。

あと、児童手当、児童扶養手当、その他給付金は「親権者ではなく同居している親」に対して支払われます。なので、財産管理権というのは有名無実化していると言って良いでしょう。

結論:「再婚を考えていない」父子家庭の場合は親権はいらない。

  • 再婚を考えていない。
    • 少なくとも子供が独立するまでは。

この前提の父子家庭であれば、本当に親権はいりません。

というか親権は何の役にも立ちません。

多分、親権ネタで揉めるのはこれ。

1.母親が監護権者になる場合の「氏の変更」について

15歳未満は氏の変更は「親権者(法定代理人)」による申請が必要です。

離婚直前は子の氏の変更を了承しておいて、いざ離婚が成立すると掌を返す。これで揉めるのだと思います。

ただ、申請の際に必要な「親権者(法定代理人)」の戸籍謄本は委任状があれば誰でも取得可能ですので、万が一の覚悟があれば揉め事にならないとも思います。

※委任状なんて勝手に作れます。 両親に頼むか、ワープロで作って印刷すれば良いだけです。 ※ここで公正証書による「氏変更の承諾」項目の証拠があれば、元配偶者の戸籍謄本申請で役所側で揉める事も無いです。

2.再婚後の養子縁組

これまた15歳未満の場合は「親権者(法定代理人)」による承諾が必要になります。

苦労して獲得した親権が離脱する上に、子供が複雑な環境に置かれる訳ですから反対する事は多いと思います。

元奥さん( or 元旦那さん)に「彼氏(彼女)ができる」のと「新しい夫(妻)ができる」は全然話しが違います。

「親」がもう1人増えるのですから。

親権者から親権を奪う行為ですので、養育費は当然放棄する前提で話をした方が良いです。これで「養育費は別」なんて話になれば揉めるでしょう。※ルールとしては再婚時点で支払い義務がなくなっていたような気も。。。

法的にどうこうより、人として虫が良すぎる。

※養子縁組しないから再婚後も養育費継続なんてなったらもっと酷い。「親権」がダシになっている。

父子家庭の場合「氏の変更」は考えなくて良い。

父子家庭の場合はそもそもが父親筆頭の戸籍に子供が入っているので、戸籍も姓も離婚前後で変わりません。

母子家庭で監護権のみの場合、更に子供が15歳未満の場合は法定代理人による手続きが必要になるので、事前の取り決めが重要になります。※最も大切なのは「反故」にされた時に単独で申請する準備をしておくこと。

>>次は「僕が悪かった?点を考えてみよう