離婚を決めたら最初に考えるべき「離婚の争点・要点」
[最終更新日]2021/03/23
ざっくり言うと
- 具体的な揉め事は「子供」と「お金」
- 抽象的な揉め事は「相手への憎悪・嫌悪」
- 相手を自分より苦しめたいという負の感情。
- 親が出てくると「泥沼」になるからなるべく回避
- 自分の言い分だけを通そうとする罵り合いが幕を開ける。
ケース別リスト
①【子供がいない家庭の場合】
- 財産分与の計算(婚前財産は夫婦の財産ではない事だけ注意)
- 慰謝料の計算(不貞・暴力(DV)等、いずれかに大きな過失がある場合。)
- 約束事は基本的に公正証書にしておく。
②【子供がいる家庭の場合】
- 財産分与の計算(婚前財産は夫婦の財産ではない事だけ注意)
- 慰謝料の計算(不貞・暴力(DV)等、いずれかに大きな過失がある場合。)
- 子供と同居する側(監護権者)を決める。⇒本質的に一番揉める部分。
- 親権者を決める。⇒但し、親権は大して役に立たない。
- 約束事は基本的に公正証書にしておく。
【注】離婚裁判で最も揉める「親権」問題については、子供が就学前で「自分の意思を示すことができない」状態にあるのが前提です。
子供が「パパがいい」と調停・裁判の場で意思表示ができるのであれば親権も監護権も揉める事無く父親に帰属します。
逆に「ママがいい」と子供が言えば、逆立ちしても勝てません(例え言わされたとしてもです)。
それは諦めましょう。
子供が居ない夫婦は展開が早い
※但し「親の介入が無い」場合に限る
子供のいない夫婦の場合、離婚で揉めるのは「お金」だけなので話が早いです。子供無しの夫婦が決める「お金」とは以下の通り。
- 婚姻後の「夫婦共有の財産」
- 不貞・DV等がある場合はその慰謝料
これだけです。
ここで注意してほしいのは「パート代・へそくりは私個人のもの」と主張するママが意外に多いという事。
婚姻後の給与収入や、やりくり結果の貯金は全て夫婦共有の財産です。そして、婚前財産は財産分与の対象ではありません。
財産分与は「夫婦関係にある状態で得た資産」が対象です。とはいえ、離婚に向けて動き出している夫婦はお互いの悪いところしか見えなくなります。
なのであまり論理的な思考をしても感情の前に吹き飛ばされる事が多いです。
短期決戦を望むなら、お金は相場の1.5倍~2倍払った方が早い。
但し、「親が介入する」と話が一気にややこしくなるので注意。「誠意(という名のお金)を見せろ!」が飛び交う地獄絵図です。
固定資産は現金化、ローン残高は折半しましょう。
持ち家、マンション、車の所有権で揉める事も多いです。多くの場合は名義人となっている父親が「俺が住む!乗る!」と主張するようですが、もめ事を避ける為にも「現金化」してローン残高を折半しましょう。
資産も負債も揉めるのは決まって「配分」です。余程の事が無い限り「折半」で行くのが一番スマートで揉めません。
仮に住み続けたいのであれば、売却益が出る状態ならその半額(相手の取り分)を支払い、ローンが残る状態なら残債(相手の債務含め)を引き受ければ良い話です。※但し、頭金などに相手の両親等からの援助を受けている場合、その分は返却しましょう。
車に乗り続ける場合は売却益の半分を渡し、残債を買い取る形にしましょう。
子供が居る家庭の場合は「子供の綱引き」で揉める。
離婚問題の長期化は殆どが「子供の綱引き」だと思ってください。
主に「親権」の取り合いに終始します。
ここで注意してほしいのが「子供と暮らすのはどちらか」で争っている事が多いということ。
子供と暮らす権利は「監護権」であり「親権」ではありません。
つまり、厳密にいえば「親権」で争っている訳では無く、「親権」にくっついている「監護権」部分で争っていると認識をしてください。「親権」を譲って「監護権」を貰えるのであれば万々歳です。
とはいえ、実際は「子供は渡せない=監護権の主張」で揉めるのが殆どですので、父親である自分が子供を引き取るのには「相当の覚悟」が必要になります。
腹を括っておきましょう。 【注】子供が「パパと暮らす」と意思を表現できる年齢であれば上記の覚悟は不要です。調停員・裁判官の前で一言子供が言えば終わりです。
「何が何でも子供だけは譲れない!」とお考えのパパさんへ
ここでは父親が「子供と暮らすのだけは譲れない」と考えている場合に必要なことをまとめています。※子供が「自分の意思を表現できない年齢」が前提です。
非常に不利な闘いとなる「子供と暮らす権利」の確保ですが、方法が無い訳ではありません。
一つ一つ、条件を満たして環境を整えておくようにしましょう。
>>次は「親親権はいらない。監護権はいる。」